2014年12月1日月曜日

田島征三さんと今井明夫さんの対談 感想

上越市の方が対談にいらっしゃり、今井さんにご感想を寄せてください
ましたので、掲載させていただきます。ありがとうございました。 ↓

【田島征三さんと今井さんのトークショーを聴いて】

 1116日に十日町市の「絵本と木の実の美術館」で行われた
絵本作家の田島征三さんのトークショーを聴きに行きました。
田島さんお一人のトークショーの予定がヤギの今井さんも
いらっしゃるとのこと。
今井さんは去年息子が1年生の時に学校で飼ったヤギを
お世話してくださった方。
うれしくて思わず息子とご挨拶しました。

 トークショーは今井さんのヤギのお話から始まりました。
ヤギを飼っていたことがある田島征三さんと今井さんのお話しは
楽しくてあっと言う間でした。
でも内容は今の私たちが忘れている大切なことを教えていただくもの
でした。今井さんのお話は学校でヤギを飼うことの意味や
子供たちが初めてみんなと協力して行う活動だということから
始まりました。

そうでした。
1年生になり立ての子供たちはみんなで食べてよいものは何か、
毒のある草が何かを学び、糞を掃き、散歩をさせ、
どんなことをしたらヤギは嬉しいかなど話し合いながら日々を
過ごしていました。
そして秋のお別れのときにはみんなが頼もしく見えました。

新潟県内には何校か春に子供を出産させているとのこと。
本当は一時的に飼うのではなく、
この出産を子供たちに見てもらいたいと
今井さんはおっしゃいました。その出産を見守ることは命そのもの。
お母さんヤギが苦しみながら産み落とし、
赤ちゃんはじきに立ち上がりお乳を飲む。
言葉では表せない力がそこにはあるのだろうと感じます。
親子で来たヤギの卒業式で今井さんが子供たちに、
お母さんヤギはまた春に子供を産むこと、
子供のヤギはお父さんになれることを話してくださいましたが、
他校の出産を見守る子供たちの様子を聴きながら
息子の学校でも出産ができたらよいのにと思いました。

 そしてもう一つ。ヤギはペットではなく家畜であること。
これはヤギの卒業式の時にも話してくださいましたが、
ずっと心に残っていました。
なぜならば、私自身、子供たちがヤギを飼うことの意味を
よく分かっていなかったからだと思います。
授業の一環であり、みんなで協力して世話をすることで
子供が成長する。
それだけのまさにペット感覚だったと恥ずかしい思いです。

人間は何かの命をいただいて生きている。
だからこそ、感謝をしておいしく食べつくす。
今でもモンゴルなど遊牧民の人たちは家畜と共に生活をし、
その家畜を殺し食糧にしている様子をテレビで見たことがあります。
皮や血、骨に至るまで無駄にはしていない。
今の日本はきっとそんなシーンを目の当たりにしたら
気持ち悪いという人がほとんどでしょう。
でもスーパーで売っている牛肉、豚肉、鶏肉も同じ動物なのに
残せば平気で廃棄し、食べつくすと言うことからはほど遠い。

昔は家畜としてヤギを飼っていた家がたくさんあり
子供も世話をしていた。
その中でどんな草に毒があるなどを自然と学び
食べ物を大事にいただいていた。

今はどうか? 
今の世の中はデータが豊富にあり、大人も子供もパソコンなどを
使いこなすことができるかもしれないけれど、
本当の意味での生きる知恵は持っていない。
食べ物が命の上に成り立っていることすら忘れているのではないか
と考えました。

「絵本と木の実の美術館」では
ビオトープを来年から本格的に始動させるそうですが、
昔は生活している場所そのものがビオトープであり、
子供たちは遊びながら知恵を身につけていたのだろうと思いました。
家畜を飼うことは生活のためであったかもしれませんが、
そんな中で命をつなげていくことを自然と学んでいた…
お二人の話しを聴く中で便利な世の中の不便さや弱さを感じました。
いかに進歩をしても忘れてはいけない根っこがある。
 
来年「絵本と木の実の美術館」にヤギが来たら、
息子と一緒に通いたいと思っています。
そしてあまり力を入れず自然の中でいろいろなことを感じ
学ぶことができたらと思います。


 本当に意義のあるお話しをありがとうございました。


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