2011年6月17日金曜日

田沢小学校へ 今井明夫さんからの返信

十日町市立田沢小学校 
恩田先生、下鳥先生、涌井教頭先生

メールをありがとうございました。
ヤギを飼育する前のオリエンテーションをやっている状況が
よくわかりました。
6月30日には生後80日くらいの元気な子ヤギを入学させたい
思っています。

小学校へ入学させるヤギは幼稚園(今井農園)で就学前のトレーニングを
しています。
集団生活や人とのふれあいの馴致、青草給与への馴致、駆虫剤の投
などです。子ヤギは飼い主のところから40日から50日で離乳して連れて
来ますが、体調を崩したり、青草の給与になれなかったりして下痢をしたり、
食滞を起こしたりします。
草を消化する反芻胃の発達が不十分だからです。
早く発見して早く手当をすることで回復させますが、
原因不明で長引くこともあります。
獣医の先生に聞きながらやっているのですが、20頭以上の子ヤギと
5~6頭の親山羊を抱えていると朝晩で2~3時間くらいは手が掛ります。

入学した子ヤギにはアルファルファ乾草を用意してください。
それと野菜くずや青草で十分です。ペレット飼料はいらないでしょう。
ヤギ小屋はコンクリートの床の場合には細かい隙間のすのこを
ベッドとして用意し、もみ殻を敷料にします。
エサ箱は外に頭を出して食べるようにします。
小屋の中の汚れを少なくし、エサの無駄を少なくします。水も外に置きます。
南西側にエコカーテンとしてゴーヤのプランターを置くか、
すだれを下げるようにします。朝顔は有毒です。
校庭でつないだり、運動させたりするときに注意することは
周囲に有毒な植物がないか調べておくことです。
全国山羊ネットワークのHPで見ることができます)

一般的にヤギは紙を食べると言いますが、合成紙や、セロテープ、紐など
食べると消化管に詰まってしまい、死なせてしまうことがよくあります。

まだいろいろとありますが、子供たちと一緒に飼育しながら発見したり、
調べたりしてください。

井ノ川先生にはいろいろとお世話になりました。
入学式の時にぜひお会いしたいと思います。

今井明夫
全国山羊ネットワーク代表

2011年6月16日木曜日

新潟県十日町市立田沢小学校からのメール

今井明夫 様

お世話になっております。
ヤギ飼育へ向けた田沢小学校の近況をお伝えします。

先週の金曜日にファーミーランドに行き、
いよいよやぎの飼育に向けてスタートしました。
月曜日と火曜日には、「やぎを飼いたい」という思いの高まりから学年で話し合い
様々な問題点を話し合いました。
小屋はどうするのか、えさは何を食べるのか、飼育当番のこと、金がかかること、
様々な人に協力をしてもらう必要があること等です。
さっそく家の人に聞いたり、3,4年生に休み時間に聞きに行ったりしている
子どもたちです。
まだスタート段階ですが、子どもの気づきを大切にしながら授業を進めています。

『ヤギのいる学校』も拝読させていただきました。
小動物ではなく家畜であるヤギを飼うことの意義も読まさせていただきました。
共同作業の中で協調性や社会性を身につけたり、ヤギへの愛情を育みながら
心を耕したりしていきたいと考えていますし、
様々な経験を(時には失敗も)繰り返しながら学んでほしいと思います。
当然、命あるやぎを預かるわけですので、
子どもには楽しいだけではなく覚悟をもって飼育することを、
子どもの気づきの中から気づかせたいと考えています。
以前お話ししましたが、やはり冬場を超すことができず、
出産へ向けた飼育をすることができません。
今井さんがお話しされている命のつながり、
再生産行為により食料をいただいていることなどは、
実際の出産の体験を見ることができないのですが、
できるかぎり子どもに伝えたり井ノ川さんや関谷さんからも
御協力いただきながら取り組みたいと考えています。


昨日は校長先生に「やぎを飼ってもよいかどうか」許しをもらいに行きました。
子どもたちの次の課題は、「やぎを貸してくれるところがあるかどうか」
という思考になっています。

先生がみんなの思いを伝えるために貸してあげるところを探してるよ!」と、
伝えています。
明日の生活科は、貸し出しできることを伝え、では何をしなければいけないか
ということを考えさせ、今井さんに手紙を書いたり、
受け入れに向けておうちの人にも自分たちでお願いをしたり、
様々な準備を進めていく予定です。


話が長くなりすみません。
近況はこのような様子ですが、受け入れに向けていくつかお聞きしたいことがあります。
6月30日の午前中に入学式ということでお世話になります。
入学式の内容は、今後子どもと話し合いながら決めていきます。
お聞きしたいことは
①ヤギは生後何ヶ月くらいたっていますか?
②えさは今、何を食べていますか?
 また、受け入れの際にはどのようなえさを準備しておけばよいでしょうか
田沢小は青草だけでなく干し草やコーンもあげてはどうかと考えいますが、
現段階の食事とどのようにつなげたらよいでしょうか?)

取り急ぎ2点です。長くなりすみません。よろしくお願いいたします。

田沢小 恩田 忍 下鳥陽代

wakuwakuwakuwakuwakuwakuwakuwakuwakuwaku
 十日町市立田沢小学校

2011年6月5日日曜日

ヤギのいるカフェ engawa cafe

6月4日(土曜日)、八ヶ岳の近くにある素敵な古民家カフェ、
engawa cafeを訪問しました。




ここでは、お庭でヤギやあひるを飼っています。
子どもたちがヤギと遊びます。
お食事もとてもおいしく、内装もおしゃれなカフェです。





店内では、本『ヤギのいる学校』を自由に閲覧できるほか、
販売もしています。
(売り上げの一部が、東日本大震災の被災者支援に
役立てられます)




ヤギのいるカフェ
engawa cafe

408-0003
山梨県北杜市高根町東井出155
tel/fax:0551-47-6065
月・火 休(祝日の場合は営業)

http://www11.ocn.ne.jp/~engawa/







2011年6月4日土曜日

ヤギが下痢をしています

ある小学校から、「ヤギの下痢」についての相談が、
今井さんに届きました。
今井さんの返信メール

メールで相談がありましたのでお答えします。
担当者のお名前と電話番号がありませんでした。
コクシジウムは幼齢期のヤギが下痢になる大きな原因です。
鶏や豚や子牛も犬も必ずコクシジウムの駆虫をします。
現在の下痢症状がわかわからないので、コメントできないのですが、
コクシジウムの薬を飲ませること、下痢を抑えること、
水分を補給すること栄養を補給することを総合的にやらないと
体力を消耗して衰弱が加します。

私は獣医の先生から「牛用バイコックス」という薬を1回だけ処方して
もらって、あとは生理的食塩水とブドウ糖、ビタミン剤などで補液する
といったことをやっています。
下痢便を毎日始末するのはよいのですが、敷料(もみ殻など)を毎日
取り替えて乾いた床に寝るようにしてください。
子供たちがヤギに触っても何も問題はありません。かえってそうした
具合の悪いヤギを見ながら、どうしてやったらよいのかを子供たちが
相談しながら世話をすることが大切だと思います。
ヤギ小屋の消毒は、子ヤギが回復した段階で行えばよいのですが、
私は敷料を交換するときに生石灰を散布するだけです。
家畜商から購入する場合、生後40日くらいで離乳したばかりの
子ヤギを連れてくることが多いようですが、母ヤギの乳をたくさん
飲んで育った子ヤギは発育は良好で少しづつ草類を食べていますが、
反芻胃の発が遅れています。
生後2か月くらいまで母ヤギの自然哺乳のもとで育てて
体重が15kgを超えるくらいなら大きな問題はありませんが、
それでも固い飼料片が消化管に滞ってしまい、食欲の減退、
腹部の膨満化、便秘、ガスの発生、体温上昇などが起きやすく
なります。
子ヤギが体力を消耗して衰弱しているところに、ヤギ小屋の床が
湿っている、コンクリート床で冷たいなどの条件では回復が
遅れます。
学校でヤギを飼育する場合にはたくさんの注意が必要ですから、
情報を全国ヤギネットワークのHPや、
家畜改良センター長野牧場のHPで読んで見てください。

一度私の農園と近くの小学校(笹岡小学校、荒沢小学校)
見に来てください。
詳しい資料やヤギの状態を見ながらお話ししますが、
6月のスケジュールがいっぱいなので、日程については
相談しましょう。
下痢が1週間も続いてから獣医の診療を受けるようではだめです
いつでも相談は受けますが、連絡を急ぐ場合は
ケイタイに電話をしてください。

今井明夫
全国ヤギネットワーク代表